●introdction
このたび、札幌を拠点に活動するELEVEN NINES内におけるユニット、dEBooが道内の実力ある俳優を集め、プロデュース公演『12人の怒れる男』を行うこととなりました。本作、舞台版『12人の怒れる男』は、1957年に上映されたアメリカ映画が基となり、これまでに世界中の多くの劇団やプロデュース公演などで扱われ、密室劇の金字塔として高く評価されている名作です。
喜劇に書き換えられた三谷幸喜脚本の『十二人の優しい日本人』は、この作品が基となっており、映画や舞台で大好評をおさめました。
陪審員制度も身近なものとして捉えられるようになった昨今、「正義とは何なのか」、「人が人を裁くとはどういうことなのか」を改めて考えさせられる作品となっています。
舞台は蒸し暑い陪審員室。父親殺しの罪に問われた少年の裁判において評決に至るまでの一日が描かれており、12人の役者達は一度も舞台から退場せず、約2時間に亘り、壮絶な討論を繰り広げます。
何度も上演され、あまりにも有名なこの作品を、演技演出の緻密さと的確さで定評のある納谷真大が、同じキャストでの再演は不可能と思われる、道内で活躍する若手・ベテランの実力派俳優達と共に、派手な装飾や演出を一切排除した誤摩化しの効かないストレートプレイに真っ向から挑み、重厚で見応えのある舞台に仕上げます。
『dEBoo』とは
札幌で数々の舞台に出演し、現在はELEVEN NINESの俳優として活動する小島達子が企画する団体です。
2000年より札幌で活動する様々な作・演出家や役者と組んでユニット公演を行ってきた小島達子が、dEBoo(デブー)という新たな活動名義にて、このたび10年振りに公演を企画しました。
今回の『12人の怒れる男』はその第一弾となります。
「自分が観客として観たいと思う公演を作る」を企画意図とする小島が、劇団とは違う、一度きりの化学反応が醍醐味であるユニット公演に再び挑戦します。
●story
ニューヨークの法廷。
夏の暑い日。
父親殺しの罪に問われたひとりの少年の審理が終わり、12人の陪審員が評決のため陪審室に集まった。
陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。
全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ひとりの陪審員が無罪を主張したことから物語は動き始める……。